大学生の時に知り合ったババアがカオスすぎたwww

 

 

俺が大学生の時の話

その頃は周りから見てもマジで普通の一般人だったと思う

周りにあわせてカッコよさそうだからつって髪の毛染めたりピアス開けたりとまぁ今で言うウェーイだった

ある時臨時講師として外国で数々の経験をしてるらしいババアの講義があった

俺的には何にも興味がなかったけど友達が外国大好きで色々話聞きたいって事で

 

そのババア含めて居酒屋で飲むことになった(ババアは毎回こういう事してたらしい)

参加者は俺、友達、女、女2、男1

最初はババアも俺達も落ち着いてたけど酒が回るにつれて話が変な方に向かっていった

友達だけはハンドルキーパーで飲まなかったけどババア含めてそれ以外の奴らは飲んでた

俺の話になるけど俺は権力に弱かった

別にそのババアが特段権力を持っているって訳でも無かったんだけど

 

当時大学生の俺からすれば海外でいろんな経験してるババアはやっぱり強い人間に映った

だから俺はいつもみたいに呼吸するみたいにババアにごまをすった

「ババア若いですね?30代でも通用しますよ?」

実際は五十台のババアだったし綺麗でもなんでもなかったどっちかって言うと汚かった

 

 

 

 

でも酒もあるし生まれついての弱者の立場もあってか俺の口から出てくる褒め言葉は

 

とどまるところを知らなかった

ババアも最初はお世辞言って?って感じだった、実際お世辞

でも友達が言うには途中からはババアは割と本気に受け止めてたらしい

俺は対してコネクションを作るためでもないお世辞をひと通り吐いたあと居酒屋をあとにした

解散になった時に友達と二人でどっかで飲み直そうや?って言う話しになってどこ行く?

 

ってなった時ババアが

「私もついていこうかしら」なんて言い出した

俺は来てくださいよ?とまた心にもないことを言ったんだが友達が

「いや僕ら家で飲むんでwwwまた今度www」

て言ったからババアは付いてこなかった

んで結局友達の車でそいつの家に向かった

友達は飲めてなかったから俺は友達にビールを出した

友達は終始ちょっと微妙な顔をしてた

俺が「どうした?飲むんじゃないの?」って聞いたら友達は「飲むけど待て

 

お前あんまりあの人にゴマするな」みたいなことを言いだした

 

 

「なんで?」って聞くと「あの人途中からめちゃくちゃ本気にしてたぞ」ってことらしい

俺は友達に「お前は俺の性格わかってるだろ、あんなのお世辞に決まってんじゃん」

 

みたいなことを言ったらまた微妙な顔をしてた黙り込んだ

その日は結局飲み明かした

でも友達の説教がうっとおしくてあまりうまい酒じゃなかったことを覚えてる

二日後の朝(次の日は飲みすぎて二人共寝坊した)

大学に着くなり女が駆け寄ってきた

なんか割と慌ててた

聞けばババアが俺の連絡先を女にしつこく聞いてきたらしい

何でも俺の学習に対する姿勢に関心を持って色々セッションをしたいだとかなんとか

俺は「そんな姿勢何一つ見せてないんだけどなぁ」って思いながらも頭に一つ考えが浮かんだ

その名もババアコネクション計画だった

大学生、というか大人になりきれてない大人って言うのは自分より強い人間と仲が良くなると

 

自分が強くなった気がすると思う

みんながどうかは知らんが俺はその口だった

俺より人生経験もあるだろうそのババアと何らかの関わりを持っとけば

 

有利になりこそすれ不利な状況に陥ることはないだろうと考えた

そこで俺は女にババアの連絡先を聞いた

 

 

 

 

講義が終わり家に着くなり俺はババアに連絡を取った

友達はうるさそうなのでこの事については何も話さなかった

ババアは数コール後に電話に出た

割と興奮した口調で「あら~俺くん!久しぶりね!」と言った

俺は「何か俺に用事があるって聞いたんすけど何ですか?」と聞いた

内容は女の言った通りセッションどうたらだった

セッションについては毛ほども興味がなかったけれど、ババアコネクション計画のために興味がある風な感じを装った

二日後にババアが俺の家に来ることに決まった

ババアだし異性とも見てないけど一応は客人だろうってことで家を片付けたことは覚えてる

そんなこんなで二日が経ってババアがやってきた

あの日のババアとは何もかもが違った、濃ゆい化粧と体の太い線を隠すドレス

 

今思えばどう見ても「勝負に来てますよ」って感じだった

 

 

 

まずババアは根掘り葉掘り俺について色々聞いてきた

俺がなにか質問に答えるたびにババアが褒めてきたり感心したりするから俺も嬉しくなって色々答えていた

なんだ何だ答えてるうちにババアはとうとうあの質問をぶつけてきた

「お付き合いしてる人はいるの?」

友達の警告が頭をよぎった俺は咄嗟に「居ます!」と答えた

 

俺の話になる、ちょっとうっとおしいだろうけど聞いててほしい

まず俺は前にも述べた通り自分より上の人間に物凄いごまをする

そして、俺はものすごい臆病だった

ちょっとでも怖いこととか恥ずかしいことがあると割とあとまで引きずったりするタイプだった

そういう性格もあってか強いものには逆らわない、なんなら味方にしてやろうという

 

ヘボい生き方が染み付いてしまった

この時俺の脳内は「このままババアと関わりを持つか?」それとも

 

「このやばいかもしれないババアを拒絶するか?」その二つで埋まってた

 

そんな時ババアがすいっとケーキを出してきた

手土産だった

こんな手土産を出してくるババアが危険なわけがないなと安易に信じた俺はババアと関わることに決めた

なに、どう考えても世間話程度だろ、俺に彼女がいようがいまいがババアには関係あるまい

俺は美味しくいただいた

 

 

 

そこから俺の日常にはババアの影が見え隠れするようになってきた

まず一番にそれに気がついたのが大学の講師にレポートを出した時

 

「お前◯◯さんに色々教わってるんだってな、熱心でいい事だ」みたいなことを言われた時だった

俺は「別に人に言うことじゃねえだろババア」と思わないでもなかった

考えてみてほしい

大学の奴がババアとちょっと関わりを持っていたところで誰が気になるだろうか、誰も気にしない

なのに俺の周りの講師や先輩は俺を見ると口を揃えて「◯◯さんに教わってるんだな、熱心だな」みたいなことを言う

俺は「一回しかあってないし対した話もしてませんよ」というのも面倒なのであは?って感じで笑って流してた

そうして、そのちょっと不気味な感覚にも慣れてた頃、多分ババアに会ってから2週間くらいの時

俺はいつものように友達とくだらない話をしてた(先輩をモンハンのモンスターに例えるとかそんなの)

そしたら校門にババコンガが立ってたんだ、否、言うまでもなくババアだった

ババアは俺を見るなり「俺くん、お話したいからちょっと車で」みたいなことを言い出した

ババアについて友達になんにも話してなかったから友達は「え?」みたいな顔をしてた

勿論俺もおなじようなかおをしてた

 

 

友達は多分「こいつ忠告したのにこのババアと関わり持ってんの?」って思いだったに違いない

俺は「何してんだこのババア頭おかしいんじゃねえか?」って感じだった

でも俺は断るわけにも行かなかった、なぜならゴマすり野郎だったから

どうしようか考えあぐねていると友達が「すいませんこいつ今から俺と遊びに行くんすよー」と助け舟を出してくれた

俺もその話に合わせるとババアは「じゃあいつなら会える?」とまるで恋人同士のようなセリフを吐いた

俺は「また連絡しますわ?」とだけ伝え友達とカラオケに行った

カラオケで友達は「お前マジでやめとけって、あれはどう見ても惚れてる」と恐ろしいことを言い出した

30以上も上のババアに惚れられるわけがないと思ってた俺は「そんな分けないだろ」と流していた

またも微妙な空気が流れた

つまらないカラオケを終えて家に帰りつくとババアからメールが来てた

大して覚えてないが内容は「今度はいつ会える??」だった

俺はめんどくさかったから「りょb」って返した

そうしてとうとう恐れていたことが起きた

俺はババアを講師として呼んだ講師に呼び出された

開口一番講師は「お前はババアとは付き合ってるのか?」と聞いてきた

「は?」

マジで意味不明なことを言われるとは?しか声が出なくなるとこの時知った

 

 

 

「なんで俺がババアと付き合うんですか?」って聞いたら「御本人がそう言ってる」とのこと

たとえ付き合ってたとしてもそれを他人にいうか?そもそもその言葉を信じるか?

俺は付き合ってませんとだけ答えて出ていった

関心のない奴に向けられる好意が俺は気持ち悪くて仕方がなかった、ましてやババアだし

次の日大学へ行くと俺がババアと付き合ってるという噂で持ち切りだった

ババアは周りから固めるタイプだった

俺は今までにないんじゃないかという怒りがこみ上げてきた

友達は「だからいったじゃん、自業自得だぞ」と言ってきた

ここまで書いてわかっただろうけど俺はクズだ

俺は友達に「うるせぇよ!黙ってろ!」と言って授業も受けずに家に帰った

家の前には見覚えのある車もといババアの車があった

不気味さよりも怒りが先に言った俺はババアの車に詰め寄った

ババア笑顔だった

俺は「みんなに何言ったんですか?わけわからん事言われてるんですけど」と聞いた

ババアは「私と俺くんがお付き合いしてるということを伝えた」と言った

俺は掴みかかった、マジで殺してしまおうかと思った

 

俺が掴みかかった瞬間ババアは「でもいいじゃない」とだけ言った

俺は理解した

このババア、自分のとっている方法がまともではないことに気が付いてると俺は悟った

俺の想像だけど大抵こういう手合いは頭がおかしいから自分勝手に恋人認定してストーキングを行う

でもババアは違った

ババアは開き直っていた

俺のババアコネクション計画は、ババアにとって若い恋人獲得計画だったのだ

遂に怒りに不気味さが追いついた

 

本気で気持ち悪くなって俺は逃げ出した

情けないけど逆切れて怒鳴った友達に電話をかけた

ババアがおってくる気配はなかったけれど、それでも走ってないと怖かった

電話に出るなり友達は「はよ来い」と言った

なんかもう申し訳ない気持ちでいっぱいだったのを覚えてる

 

部屋に入るなり俺は泣き出した

怖いし気持ち悪いし不気味だし周りの人間は勝手に俺らのことをカップルと思ってる

そんな意味不明な状況に耐えられなくて俺はめちゃくちゃ泣いた

俺が落ち着くと友達はモンハンしようぜっていって来た

俺は気を紛らわすためにモンハンをした

モンハンをしながら友達は色々聞いてきた

俺はここ数日のこと、みんながババアと俺のカップル説を信じてること、いろんなことをはなした

それをひと通り聞いて友達はため息を一回だけついて「まぁババアが怖いなら俺んちに止まればいい」とだけ言った

次は別の意味で涙が溢れた

その後今後どうするかについて話し合った

俺はまず大学のヤツらの誤解をとくという事にした

友達もそれには賛成してくれた

しかしその後ババア本体をどうするかの結論はなかなか出なかった

犯罪になるのか分からないしあのババア本気だし本当にもう殺してしまうしかないんじゃないかと思った

そのとき俺はあの言葉を思い出した

そう、俺には彼女がいたのだ

もちろん実際にはいないがババアにはそう伝えている

俺はババアの思考回路と行動をできる限りトレースした

恐らくババアはあの時の俺の言葉の真偽を確かめるために、行動したのだろう

結果として俺に恋人はいないという結論に至った

大学でも男友達と駄弁るだけ、女の影なんて露一つ見当たらないのだからその結論は当然とも言える

だけど俺とババアの最初の共通点は大学である

ババアは「大学生としての俺」しか知らないのだ

行動自体は常軌を逸しているとはいえ、思考回路は割とまともなババアの判断能力を信じることにした

結論として俺は「学外に恋人が居る」という設定を思いついた

勿論このババアの行動範囲(ストーキング範囲)が俺の大学外にまで及んでいたとしたらこの計画は泡と消える

しかしもし及んでいないとしたら…そう考えると、縋るには十分すぎるほどの藁だったことは言うまでもない

 

 

人を騙すに当たって最も重要なことはとにかく大勢の人間を巻き込むことだ

奇しくもババアには大勢の人間を巻き込むという方法において先を越されてしまったが

 

それはあくまで大学での話である

だから俺は片っ端から地元の人間に連絡をした

ババアの活動範囲はあくまで「大学内の俺の周囲」である

地元の人間を巻き込むのならば、俺に分があること明白だった

問題はそんなしょうもなさそうな話に協力してくれる地元の人間(或いは友達の友達)が

 

どれ程いるのかということだった

それにババアがもし俺の知らない人間にまで俺ババアカップル説を伝えてしまったら

 

それこそ挽回の術がない

速さ、そして多さが何より重要だった

とりあえずとにかく行動だ、そう思った俺はまず一人の男に電話をかけた

こいつをFとする

Fは高校当時からゴリゴリのヤンキーで何を隠そう俺がごまをすりにすっていた人物の一人だった

「なん?」「いや、その…ちょっと話したいことがあるんだけどさ」

俺がまず初めにこいつに電話をかけた理由は二つ

ヤンキーは何かと面白そうな話に乗ってくるきらいがあるということ

そしてヤンキーは顔が広い

ごめん三つ、ヤンキーがいれば心強いだった

結果としてまぁ当たり前ではあるがFが県外であるここに来てくれるはずもなかった

しかしそこは何故か面倒見がいいヤンキーというべきなのか、Fはある人物を紹介してくれた

その子は俺と同じ県に住んでいて、Fの割と古くからの知り合いらしい

俺はFを介してその子と会う約束をした

しかし馬鹿な俺はもう既に当初の目的を見失いかけていた

Fが紹介してくれた子は女の子だった、俺は「もしかしたら付き合えるんじゃね?」

 

というDT特有の淡すぎる妄想を抱いていた

 

 

ババアが俺の住所を知っている今、家には帰れない

となれば当然当分の間この友達の家が俺の住処になる

俺は友達に許可をとって、後日その女の子をここへ呼ぶことにした

ちなみに女の子が友達の家に来る間(大体四日くらい)も大学には通い続けた

色んな人が奇異な目で見てくる中、友達だけは俺のそばについていてくれた

口には決して出さなかったがその行動の示すところは当然俺に安心感を与えるため

 

味方はここにいるということを暗に伝えるためだろう

もう一生こいつには頭が上がらないなと思っていた

俺が申し訳なさと嬉しさを表情に出すたび友達は飲み物を奢ってくれた

「マジで気にすんな」というぶっきらぼうな言葉が俺には本当に有難かった

そんなこんなで約束の日となった

果たして今からくる人間はヤンキーの女の子なのかそれとも普通の女の子なのか

どちらにせよ心強い見方であることに変わりはなかった

欲を言うならば普通の女の子の方が良かった

その期待は当然のように裏切られることになる

ヤンキーの友達はヤンキー、高校の時から知っていた事実を再認識させられた

 

出会うなり女の子は「こんにちは、恋人の振りをするってマジすか?」と聞いてきた

年下のなんだから敬語使えよと思ったが、なんというか年上にごまをすりまくる俺と

 

対極にある彼女は普通に魅力的に映った

先にネタばらししておくが俺とこの子が付き合う展開はない

早速俺はこの子に事情を話して、計画を練ることにした

事情を話すと女の子は「本当の事じゃないんだから普通にしとけばいいじゃん」と言った

早くもタメ口になってきた彼女に俺は「大学生になると色々あるんだよ」と大人ぶった

女の子は流しながらTwitterとかしてた

 

 

3人で練った計画はありきたりなものだった

俺とヤン女が手を繋いで街を歩く、それをババアが見るまで繰り返すだった

ヤン女は微妙な顔をしていた

DTの思考回路的に「え?そんなに嫌なの?」って感じだった

前に述べたけど人を騙すには大勢の人間を巻き込む必要がある

ただし巻き込み方自体は一つとは限らない

ババアはとった方法は、自分から先んじて俺の周囲を固めると言う方法だった

大して俺の方法は、大勢の人間に俺たちの姿を見せつけるというものだ

ババアのとった方法は確かに効果的だった

大勢に1度に伝えるのではなく一人一人に俺ババアカプ説を伝える

 

一人一人がその嘘を共通し話題にすれば、その嘘は事実並みの強度を持つことになる

しかしババアの方法には欠点がある

ババアの方法には一つたりとも「俺とババアが手を繋いで歩いていた」「デートしてた」

 

などという実例が存在していないのだ

つまり、いかに現実並みの強度を持つ嘘であったとしても嘘は嘘

こちらがヤン女と手を繋いで歩いている姿をババアや大学のヤツらに見せつけてやれば

 

ババアの嘘はより強度を持つ俺の嘘に壊されることになる

俺は息を飲んだ

短くも長く感じた俺ババアカプ説に終止符が打てるという高揚感と

 

演技であるとはいえ女の子とデートするという緊張感からだ

とにもかくにも、勝利は目前だった

 

 

 

俺と5年来の友人であるくせに俺よりはるかに経験豊富な友達に色々教えて貰って俺はデートをすることにした

ヤン女は相変わらずの表情だったがそれでも付き合ってくれた

手を繋ぐということは絶対条件である旨を伝えると、飯を奢る約束を取り付けられた

俺はとにかく普通を取り繕うことに必死だった

脳内で「俺はこいつの彼氏だ、俺はこいつとデートするのが日課なんだよ」と繰り返しながら

 

おぼつかない足取りで昼の商店街を練り歩いた

大学の友人らしき人間に「敢えて」気が付かないふりをして、俺はデートをした

2時間ほど歩き、ようやく俺はヤン女がまともに話せるようになった

マジで俺以外の男はこんな針のむしろみたいなことを毎週のようにしてるのか?

 

という疑問も生まれたが、きっとしているのだろう

楽しさよりも緊張が勝るそのデートも佳境に差し掛かった時、一つの太い影が見えた

遠目からでもわかる、ババアだ

 

 

やばいと思ったがここでたじろいでしまっては今までの苦労が水泡に帰すことになる

 

そう考えた俺は自然な笑顔でババアに話しかけた

「こんにちは」「この方は?」「あれ?言いましたよね?彼女ですよ」

若い女の子を指して彼女と呼ぶのは気恥しいことだったということを覚えてる

その言葉を聞くや否やババアヒステリックに喚き出した

聞き取りにくいその言葉の中には確かに

「あなたの恋人は私でしょお?!!!」という叫びがあった

俺はもう限界だった

こんな若い女の子の前で自分こそが恋人であると主張する4回り位上のババアに

 

迫られるという事実が辛すぎて涙が出てきた

「うぇっ……おえっ」みたいな嗚咽を漏らす俺とヒステリーババア

 

そしてドン引きするヤン女が一堂に会するカオスすぎる状況が生まれた

信じざるを得ない事実を目の前に唯一まともだった思考回路さえ壊れたババアがとった行動は

 

俺の手を引っ張るという事だった

もうなんかどうにでもなれと思った

引っ張られてまともに抵抗できない俺はほんとに「嫌だァ…」みたいなことを言ってた思う

もう俺こいつに一生付きまとわれるのかな、終わりなのかなと思った

そんな矢先もう一つ影が飛び込んできた

そう友達である

 

俺は涙でグシャグシャだった目を、引っ張られてない方の腕で拭いて友達の顔を見た

ババアは突然出てきた友達に驚きながらも怖気ずくことは無く

 

「あんた何よ!!!うんたらかんたら!!!」と喚いていた

あまりの勢いに当の本人である俺が諦めていたのに、事もあろうか友達だけが諦めていなかった

友達は土下座した

俺はもうほんとに生まれて一番泣いたんじゃないかと言うくらい涙が溢れた

「やめてやってください」

友達が履いたセリフはそれだけだった

なおも止まることのないババアの猛攻にも怯まずに友達はひたすら辞めてくださいと言い続けた

俺は友達に向かって「やめてくれ」と言ったが友達は何も言わずに頭を下げ続けた

次第に人が集まってきた、ババアのヒステリーが関心を引き、友達の土下座が人を呼んだのだ

人が集まり、ついには俺たち4人を取り囲んだ

さすがのババアも戸惑ったようで言葉を失った

友達はすかさず大きな声で「こいつに付きまとうのはやめてください!!」と言った

言わずもがな、奇しくも追い込まれた状況から自然と生まれた「大勢を巻き込む嘘」(本当の事だけど)である

ざわめく人混みの中、ババアは顔を青白くした

友達は今度は立ち上がって

 

「こいつにはもう恋人がいるんです!付きまとうのは辞めてやってください!」と繰り返した

他人の言葉が事実になっていき、周囲の人間達はその言葉を反芻しながら、それは強度を増していった

実例と事柄の共有を経て確実な強度を持ったそれは、ババアの心を打ち砕くのに十分だった

絵面だけ見れば確実に相打ちだが、紛れもなくこれは勝利だった

俺ではなく、俺たちの勝利だった

 

 

その後ババアは人混みを掻き分けるようにしてフラフラと消えていった

俺は相変わらず溢れてくる涙を拭くこともなくその場にへたりこんでいた

友達は何を言うこともなく黙って俺の肩を持ち上げた

ヤン女も反対側の肩を持ち上げ、俺は半ば引きずられるようにその場を後にした

家に帰り着くなり友達は泣き出した

元々泣いていた俺と友達の雰囲気に飲まれ何故かヤン女さえもちょっと泣き出した

3人でぎゃんぎゃんと泣いた後に、今度はヤン女がおもむろに口を開いた

「なんかよくわかんなかったすけど、凄かったです、やばかったです」

狙ったか狙ってないか定かではないが間違いなく友達は凄かった、やばかったのだ

まだすべてが終わった訳では無いが、それでもこの件は確実に収束に向かうだろう

間違いなく誤解は解けるだろうし、ババアももう絡んではこまい

俺は安堵感と感謝から友達にひたすらお礼を言った

本当にもう頭が上がらないな、そう思った

堰を切ったようにとめどなく感想が溢れてきた

特にヤン女は本当に心が打たれたようでひたすら友達に「やばかったです、凄かったです」と言っていた

敬語使えるじゃねえか

そして、友達はひとしきり笑ったあと俺に向かって

「俺にここまでさせるこいつが凄いんだよ」とだけ言った

 

 

この記事を書いたのは

shibatama
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短編、長編の読み物や、ちょっと気になる雑学ネタなどを中心に書いてる書いている雑食系のライターです。
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