『アドレス変えました』気まぐれな君

286: :2010/11/02(火) 01:01:23.29 ID:

女「……あ、三毛猫ちゃんだ」

通りに面した道路の脇から、模様の混じった猫が顔を出した。

「ニャ~」

女の足元で甘えていた白猫は、ピクッとしてそっちを向いたかと思うと。

僕「あ……」

二匹は体を寄せあったまま走りだし、道路の向こうへ消えてしまった。

女「……行っちゃった。あんなに甘えてたのに」

僕「ほら、気まぐれだからさ、猫って」

女「ん~、違うな~。あれは気まぐれとかじゃないんだよ~、きっと」

僕「……?」

女は、僕に何も詳しい事を話してはくれない。

それはこの数年間、いつもそうだった。

今回だって……。

287: :2010/11/02(火) 01:11:21.22 ID:

僕「ね、それってどういう意味?」

女「え? ふふん……内緒」

鼻で笑う彼女は何も答えてくれない。

女「じゃあ、ご飯の約束忘れないでね。楽しみにしてるよ~」

僕「……うん」

彼女の顔を見たら、他の全てはどうでもよくなる。

女「これ、ありがとうねっ!」

僕「……」

以前持ってきたお菓子と同じ、彼女の好きな物ばかりが入った袋だ。

僕(もう、忘れないんだよ)

僕には忘れる事が出来ないんだ。

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